横浜市は社会人採用を積極的に行っており、優良な自治体として非常に人気です。
合格をつかむには、しっかりとした対策が必要です。
そこで今回は、試験内容と対策方法について、徹底的に解説します。
ぜひ参考にしてライバルに差をつけ、合格を勝ち取りましょう!
横浜市社会人採用の受験資格
中途採用者に様々な条件を課す自治体もありますが、横浜市の社会人採用試験の受験資格はそれほど複雑ではありません。
民間企業等における職務経験を直近7年中5年以上有する人
もしくは青年海外協力隊等としての活動経験を直近7年中2年以上有する人
「民間企業等における職務経験」は、週 30 時間以上の勤務を2年以上継続し、これらの経験が通算で5年以上であることが必要です。
「通算」なので、5年間連続した職歴がなくとも、2年以上の職歴が合算して5年以上あればよいことになります。
また、「職務経験」には、会社員、自営業者、アルバイト、パートタイマー、公務員等としての経験が該当します。また、財団法人、社団法人、NPO法人等の経験も含まれます。
アルバイトやパートなど、正社員としての職務経験がない人にも、横浜市は門戸を開いているということです。
横浜市社会人採用の初任給
横浜市社会人採用の初任給は、学歴や職務経験年数に応じて変わりますが、目安として次のように示されています。
大卒で職務経験18年の場合 303,340 円程度
上記のほか、住居手当や通勤手当などが支給されます。
横浜市社会人採用の試験日程
横浜市社会人採用試験は、例年6月に受験案内が公表されると同時に申込み受付が始まり、9月下旬に第一次試験、その後第二次、第三次試験を経て、最終合格発表は12月上旬です。
ここでは、令和4年度(2022年度)試験の日程に沿って、採用内定までの流れを確認しましょう。
横浜市社会人採用の倍率
横浜市の社会人採用試験の倍率は、例年20倍を超える人気です。
ただし、受験資格制限が比較的緩いため、「とりあえず受けてみよう」というような対策不十分の受験者も多く、実質的な倍率はかなり下がるのではないかと考えられます。
倍率だけを見て諦めることなく、頑張りましょう!
令和元年度 (2019年度) | 令和2年度 (2020年度) | 令和3年度 (2021年度) |
24.2倍 | 20.5倍 | 28.2倍 |
それぞれの試験段階での倍率は次の通りです。
令和元年度 (2019年度) | 令和2年度 (2020年度) | 令和3年度 (2021年度) | |
第一次試験合格率 | 28.5% | 22.2% | 33.9% |
第二次試験合格率 | 36.2% | 47.6% | 28.0% |
第三次試験合格率 | 39.8% | 46.3% | 37.5% |
以前は第一次の教養試験が合否のカギと言われていましたが、令和3年度からは論文と面接重視にシフトしています。
論文対策・面接対策を徹底的にやっておきましょう!
エントリーシートの内容
横浜市社会人採用試験の受験申し込みは、Webでの受付です。
その際、エントリーシートの提出が求められます。
・セールスポイント
・改善したいところ
・自己啓発活動
・趣味・特技
・志望理由(200字以内、5行以内で簡潔に書く)
・最も職務上のスキルや専門性を生かした(又は身に付けた)勤務・活動経験
・勤務・活動先(会社・団体名)、担当業務及び自身の役割(25 字以内)
・担当業務の内容・業務遂行上の課題及びその解決のプロセスや実績(170字以内)
エントリーシートに記載した内容は、面接の参考として用いられます。
記載したことについて、面接で掘り下げた質問をされても大丈夫なようにしておく必要があります。
Web入力での提出となるため、控えとして入力後の画面のスクリーンショットを撮っておきましょう。
また、提出後の修正や、複数の申込みはできません。
複数の申込みをした場合、最初に到達したもの以外は無効となってしまいます。
第一次試験の傾向と対策
横浜市社会人採用の第一次試験の内容は次の通りです。
論文(60分)…与えられた課題に対する論文
横浜市社会人採用の教養試験
横浜市社会人採用の教養試験は、オーソドックスな内容で難易度もそれほど高くありません。
対策は、「地方初級(高卒程度)」の過去問題集を徹底的に解くことがベストです。
一般的に、公務員試験は、過去問やほかの試験区分の問題を参考に作成されることが多いので、過去問対策が非常に有効です。
テキストは「社会人採用(経験者採用)」専門予備校Gravityさんがオススメの書籍をまとめてくれているので、こちらを参考にしてみましょう。
下記のリンクから確認することが出来ます。
横浜市社会人採用の論文試験
正確に言うと、横浜市社会人採用の一次試験は教養試験のみです。
一次試験の合否は教養試験の成績のみで決まり、論文の成績は第二次試験の合否判定に用いられます。
論文試験は、教養試験と同じ日に行われますが、分類上は第二次試験に含まれるのです。
とはいえ、論文を書くのは第一次試験日であることは変わりないので、第一次試験が行われる9月に間に合うように、論文対策を行う必要があります。
横浜市の社会人採用は、論文がカギと言われます。配点を見てみましょう。
【各試験段階における配点】
教養 | 論文 | 面接Ⅰ | 面接Ⅱ | 総合点 | |
第一次試験 | 410 | ‐ | ‐ | ‐ | 410 |
第二次試験 | ‐ | 100 | 200 | ‐ | 300 |
第三次試験 | 15 | 15 | 30 | 600 | 660 |
上の表のように、論文は第二次試験で100点満点、さらに、第三次試験(最終試験)でも、15点配点されています。
たった15点、されど15点です。
2人の受験生が面接で同点となった場合、合否を分けるのはこの15点分の出来にかかっています。
過去問をチェックして、しっかり対策をしておきましょう。
【2021年 論文試験 過去問】
近年、感染症の影響等によって人々の不安が高まる中、市民の暮らしを守り支えるために、
横浜市にどのような取組が求められているか。また、その中であなたの経験をどのように生か
すことができるか、述べなさい。
【2020年 論文試験 過去問】
横浜市では、生産年齢人口の減少が続き、財政需要の増大と税収減少が中長期的に見込まれています。この課題に対し、行政としてどのような取組が必要か、また、これまでのあなたの経験をどのように生かすことができるか、述べなさい。
【2019年 論文試験 過去問】
市民ニーズや地域の抱える課題は複雑化・多様化しており、行政だけの力では様々な課題への対応が難しくなっています。そのような中で、市民満足度の向上を図るためには、行政としてどのような取組が必要か、また、これまでのあなたの経験をどのように生かすことができるか、述べなさい。
(【横浜市社会人採用】過去問:論文試験より引用)
上記のように、さまざまな行政課題についての認識と、これまでの経験をどう生かして取り組むのかを問われます。
字数制限は750字と比較的短めですので、要点を明確にして簡潔に書く必要があります。
論文試験は、教養試験と比べて対策がしづらいと感じる方も多いようですが、公務員試験の論文は「型」を覚えて書く練習をすることで非常に書きやすくなります。
「型」を意識しながら書く練習を続けましょう。
なお、横浜市社会人採用の過去問は下記の記事からご覧いただけます。
第二次試験
横浜市社会人採用の第二次試験では「個別面接」が行われますが、合否は、第一次の教養試験と同日に行った「論文試験」の点数も合算されて決まります。
配点は、「面接200点+論文100点」の300点満点です。
横浜市社会人採用の面接試験
横浜市社会人採用の面接試験で問われるのは、主として「これまでの経験」です。
受験申込みの際に提出したエントリーシートと矛盾しないよう注意しましょう。
食い違いがあると、経歴詐称を疑われる恐れもあり、大きなマイナスとなってしまいます。
また、面接対策で必ず押さえておきたいのが、横浜市が掲げている「求められる職員像」です。
大学の推薦入試でも「求める学生像(アドミッションポリシー)」に合致しているかどうかが重要視され、受験生はしっかり対策をしていますが、公務員の社会人採用試験受験者は、意外とこの点を見落としがちです。
逆に言えば、「求められる職員像」をしっかり把握して対策をすることで、ライバルに大きな差をつけることができる、ということです。
横浜市【求められる職員像】
ヨコハマを愛し
■横浜と横浜市⺠に対して強い関⼼を持ち、市⺠に貢献する仕事に誇りと⾃信を持つ
■市⺠の⽬線で考え、相⼿の⽴場や気持ちに寄り添い、主体的に⾏動する
■“開かれた都市・横浜”の魅⼒を理解・発信し、国際貢献できる⼈材を⽬指す市民に信頼され
■公務員としての⾃覚を持ち、「職員⾏動基準」に沿って誠実・公正に⾏動する
■知識・能⼒を備え、やるべきことを着実に⾏い、⾃らの役割・責任を果たす
■⼈権とコンプライアンスの意識、協働の姿勢を持ち、市⺠と信頼関係を築く自ら考え行動する
■課題解決に向けて主体的に取り組み、「チーム横浜」で⽇々の業務にチャレンジする
■⾃らのキャリアを考え、積極的に能⼒開発に取り組む
■全体の奉仕者として⾃らに求められていることを考え、⾏動する
(横浜市人材育成ビジョン・研修計画より引用)
これらをしっかり頭に入れましょう。
ただし、ただ丸暗記しているだけではあまり意味がありません。
自分がこれらの職員像に合致していることを、「過去の具体的なエピソード」で語る必要があります。
その点をしっかり考え、準備しておきましょう。
第三次試験
横浜市社会人採用の第三次試験は、再度「個別面接」のみが行われます。
ここまでくれば、合格までもうひと頑張りですね!
最終的な合否は、次のような配点で計算されて決まります。
教養 | 論文 | 面接Ⅰ | 面接Ⅱ | 総合点 |
15 | 15 | 30 | 600 | 660 |
第三次試験まで勝ち残ってきた受験生は、全員一定レベル以上の成績を取れると考えられますので、合否は僅差の勝負になるでしょう。
論文試験の15点や面接のわずかな得点差が、合否の分かれ目になることもあります。
第二次試験時の面接と同様、横浜市の「求められる職員像」を念頭に置き、自分のこれまでの具体的な経験としっかり結びつけてアピールしましょう。
横浜市社会人採用まとめ
今回は、横浜市社会人採用試験の試験内容と対策方法について解説しました。
横浜市は、公務員職の中でも非常に優良と言われ、合格すれば社会的にも経済的にも安定した生活が送れることでしょう。
何としても合格したいですね!
この記事をチェックしたあなたは、すでにライバルを一歩リードしています。
見た目の倍率の高さに惑わされず、やるべき対策をしっかりとやり込んで臨み、ぜひとも合格を勝ち取ってください。
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